2025.10.20

【完全ガイド】クリニック開業の建築プロセス|費用相場と設計・施工会社選びの全知識

みなさんこんにちは。和歌山県にある大規模木造建築専門店のTimber Worksです。

「自分の理想とするクリニックを開業したいが、建築の進め方がわからない」「クリニック開業の建築にはどれくらいの費用がかかり、どんな流れで進むのだろうか?」「信頼できる設計事務所や施工会社はどう選べばいい?」このような、クリニック開業の建築に関する多くのお悩みや疑問をお持ちではないでしょうか。

クリニックの開業は、医師の皆様にとって、ご自身の医療理念を形にする非常に重要なプロジェクトです。中でも「建築」は、その理念を実現する器であり、患者様の満足度やスタッフの働きやすさ、さらにはクリニック経営そのものの成功を左右する最大の要因となります。この記事では、クリニック開業の建築について、戸建てとテナントの比較から、構想から完成までの具体的な流れ、建築費用の相場、そして事業成功の鍵を握るパートナー(施工会社)選びの重要ポイントまで、大規模木造建築のプロの視点も交えながら、網羅的に解説していきます。

この記事を最後までお読みいただくことで、クリニック開業の建築プロセスの全体像が明確になり、資金計画や設計で失敗しないための具体的な知識が身につきます。これからクリニックの建築による開業をお考えの先生方や医療法人様は、ぜひ最後まで読んでみてください!

クリニック外観

クリニック開業における建築の重要性

 

クリニック開業の成功において、「建築」は単なる「箱モノ」づくりではありません。その設計や構造が、日々の診療効率や患者様の体験価値、そしてクリニック経営の収益性にまで直結します。

 

なぜクリニック開業で建築(建物)が重要なのか

 

クリニックの建築は、先生の医療理念を映し出す鏡です。患者様が最初に目にする外観や、安心して過ごせる待合室のデザインは、クリニックの第一印象と信頼感を決定づけます。また、患者様とスタッフの動線が交錯しない効率的なレイアウトは、診療の質とスピードを向上させ、スタッフの疲労を軽減します。さらに、建築にかかる初期費用は、開業資金の大部分を占めるため、建築計画の精度がそのまま事業計画の成否に繋がるのです。

 

クリニック開業の建築形態|戸建て開業 vs テナント開業

 

クリニック開業の建築形態には、大きく分けて「戸建て開業」と「テナント開業」の2種類があり、それぞれにメリットとデメリットが存在します。

 

戸建てでクリニックを開業・建築するメリット

 

戸建て開業の最大のメリットは、設計の自由度が非常に高いことです。先生の理想とする医療理念に基づき、診療科目に最適化された間取り、動線、デザインをゼロから自由に構築できます。駐車場の台数も自由に確保でき、将来的な増改築の余地も残せます。また、建物自体が地域のランドマークとなり、患者様への認知度向上やブランディングにも大きく貢献します。

クリニック内観

戸建てでクリニックを開業・建築するデメリット

 

戸建てでクリニックを開業・建築する場合、テナント開業に比べて初期費用(土地取得費・建築費)が圧倒的に高額になります。土地探しから建築工事まで、開業までのスケジュールも長期間にわたる傾向があります。また、開業後の建物の維持管理費(修繕費や固定資産税など)もすべて自己負担となる点は、デメリットとして考慮する必要があります。

 

テナントでクリニックを開業・建築(内装)するメリット

 

テナント開業のメリットは、初期費用を大幅に抑えられる点です。すでに建物があるため、土地取得費や建築費が不要で、内装工事費だけで開業できます。特に、医療モールやビル内のクリニックフロアであれば、すでにある程度の認知度があり、開業初期から集患しやすい環境が整っています。開業までの準備期間が短くて済むため、スピーディーな開業が可能です。

 

テナントでクリニックを開業・建築(内装)するデメリット

 

テナント開業のデメリットは、設計の自由度が低いことです。既存の建物の柱や梁、窓の位置、水回りの制約の中でレイアウトを考えなければなりません。理想の動線を実現できない場合や、看板の設置場所に制限がある場合もあります。また、毎月の賃料が発生し続けるため、長期的なランニングコストは戸建て開業よりも高くなる可能性があります。

 

クリニック開業の建築プロセス|構想から完成までの流れ

 

クリニックの建築を伴う開業は、非常に多くのステップを踏む長期的なプロジェクトです。ここでは、構想から開院までの一般的な流れを解説します。

 

ステップ1:基本構想と事業計画の策定

 

クリニック開業の第一歩は、「どのような医療を、どの地域で提供したいのか」という基本構想を固めることです。診療科目、ターゲットとする患者層、医療理念を明確にし、それに基づいた詳細な事業計画書を作成します。この段階で、必要な資金計画(自己資金、銀行融資など)も具体的に検討します。

 

ステップ2:土地・物件探しと診療圏調査

 

事業計画に基づき、クリニックを建築する土地、または入居するテナント物件を探します。同時に、その候補地がどれくらいの患者様を見込めるエリアなのかを分析する「診療圏調査」を行います。この調査結果が、事業の成功確率を測る重要な指標となります。

 

ステップ3:開業のパートナー(設計・施工会社)選定

 

クリニック開業の建築プロジェクトを成功させる上で、最も重要なのがパートナー選びです。クリニック建築の実績が豊富な設計事務所や施工会社を複数選定し、コンペ(提案)を受けます。自社の医療理念を深く理解し、二人三脚でプロジェクトを進めてくれる信頼できる会社を選定します。

 

ステップ4:設計(基本設計・実施設計)

 

選定したパートナーと共に、クリニックの具体的な設計図を作成していきます。まずは、間取りや動線、デザインの大枠を決める「基本設計」を行います。その後、基本設計に基づき、工事に必要な詳細な仕様(使用する建材、電気配線、設備機器など)を決定する「実施設計」へと進みます。

 

ステップ5:建築工事と各種申請

 

実施設計図面が完成したら、施工会社と工事請負契約を結び、いよいよ建築工事の着工です。工事と並行して、保健所への「診療所開設許可申請」や、厚生局への「保険医療機関指定申請」など、クリニック開業に必要な各種行政手続きを進める必要があります。

 

ステップ6:竣工・引き渡しと開院準備

 

建物が完成(竣工)すると、行政の検査(消防検査、保健所検査など)を経て、施工会社から建物の引き渡しを受けます。その後、医療機器の搬入・設置、スタッフの採用・研修、内覧会の実施など、開院に向けた最終準備を進めます。

 

クリニック開業の建築費用|坪単価の相場と総額

 

クリニック開業の建築費用は、事業計画における最大の関心事の一つです。ここでは、費用の相場と内訳について解説します。

 

クリニック建築の坪単価(構造別)と費用の内訳

 

戸建てでクリニックを建築する場合、その坪単価は建物の構造によって大きく異なります。
※坪単価は、内装や空調・医療設備をどこまで含むかによって大きく変動しますが、一般的に木造は他の構造よりコストを抑えられる傾向にあります。あくまで一例ですが、構造別の坪単価の目安は以下の通りです。

  • 木造: 約80万円~120万円/坪
  • 鉄骨造(S造): 約100万円~140万円/坪
  • 鉄筋コンクリート造(RC造): 約120万円~160万円/坪

建築費用(総工費)は、この坪単価で計算される「本体工事費」の他に、外構工事やインフラ引き込みなどの「別途工事費」、設計料や申請費用などの「諸費用」で構成されます。50坪のクリニックを木造で建てる場合、本体工事費だけで4,000万円~6,000万円程度が目安となります。

 

クリニック開業の建築費用を抑えるポイント

 

クリニックの建築費用を抑える最も有効な方法は、構造に「木造」を選択することです。木造は、鉄骨造やRC造に比べて材料費や基礎工事費を安く抑えられます。また、設計をシンプルにし、建物の凹凸を減らすこと、内装のグレードにメリハリをつけることもコストダウンに繋がります。

 

クリニック開業の建築で失敗しない設計・デザイン

 

クリニック建築の設計は、患者様の満足度とスタッフの生産性に直結します。特に以下の2点は重要です。

 

患者様の動線とスタッフの動線を分離する設計

 

クリニックの設計において最も重要なのが「動線計画」です。患者様が受付から待合室、診察室、処置室、会計までスムーズに移動できることはもちろん、患者様の動線と、医師や看護師のスタッフ動線が極力交わらないように分離することが重要です。動線を分離することで、スタッフは効率的に移動でき、診療の質が向上します。また、院内感染の防止にも繋がります。

 

診療科目に合わせたクリニック建築の設計ポイント

 

クリニックの設計は、診療科目によって求められる要件が異なります。例えば、内科であれば感染症対策のための隔離待合室、整形外科であればレントゲン室の設置やリハビリ室の広いスペース、小児科であればキッズスペースやベビーカー置き場、心療内科であれば防音性の高い診察室や落ち着いた内装デザイン、といった配慮が求められます。

 

クリニック開業の建築パートナー(施工会社)選び

 

クリニック開業の建築プロジェクトは、どの施工会社に依頼するかで結果が大きく変わります。

 

クリニック建築の実績が豊富な施工会社を選ぶ

 

必ず、クリニックや医療施設の建築実績が豊富な施工会社を選んでください。クリニック建築には、医療法やバリアフリー法、消防法など、一般の住宅建築とは異なる専門的な法規制やノウハウが多数存在します。実績が豊富な会社であれば、これらの規制を熟知しており、保健所の検査などもスムーズに通過できる設計・施工が期待できます。

 

医療理念やビジョンを共有できる施工会社か

 

施工会社は、単に図面通りに建物を建てるだけの存在ではありません。先生の「どのようなクリニックを開業したいのか」という医療理念やビジョンを深く理解し、それを実現するために最適な建築プランを共に考えてくれるパートナーでなければなりません。私が以前、和歌山県内で担当した先生は、「地域住民が気軽に集まれる、カフェのような温かいクリニックを開業したい」という強い想いをお持ちでした。私たちはその想いを共有し、設計段階から何度も議論を重ね、最終的に木材をふんだんに使った温もりあるクリニック建築を実現。開院後、そのクリニックは地域の方々の憩いの場としても愛されています。

 

クリニック開業の建築に「木造」を選ぶメリット

 

私たちTimber Worksは、クリニック開業の建築において「木造」という選択肢を強く推奨しています。木造建築には、これからのクリニック経営に多くのメリットがあるからです。

 

コスト(建築費)を抑えたクリニック開業の実現

 

最大のメリットは、建築費用を大幅に抑えられる点です。前述の通り、木造は鉄骨造やRC造に比べて坪単価が安いため、開業時の初期投資を削減できます。削減できた費用を、最新の医療機器の導入や広告宣伝費に充てることで、開業後の経営を有利に進めることができます。

 

患者様の不安を和らげる木造建築のデザイン性

 

木材が持つ自然な木目や温かい手触りは、人の心を落ち着かせ、ストレスを軽減する効果があります。無機質になりがちな医療空間に木の温もりを取り入れることで、病院特有の緊張感や患者様の不安を和らげることができます。「また来たい」と思ってもらえるような、居心地の良い空間デザインは、木造建築の大きな強みです。

 

快適な室内環境がもたらすクリニック経営への好影響

 

木造建築は、優れた断熱性と調湿性を持っています。これにより、「夏は涼しく、冬は暖かい」快適な室内環境を実現できます。快適な環境は、患者様の満足度を高めるだけでなく、スタッフが健康でいきいきと働ける職場環境づくりにも貢献します。スタッフの定着率が向上することは、クリニック経営の安定にとって非常に重要です。

 

まとめ

 

クリニック開業の建築は、単なる建物づくりではなく、先生の理念を形にし、事業の未来を築くプロジェクトです。戸建てかテナントかの選択から始まり、事業計画、土地選び、設計、そして施工会社の選定まで、すべてのプロセスが密接に関連し、クリニック経営の成功に繋がっています。

特に、建築費用を抑えつつ、患者様とスタッフ双方にとって魅力的な空間を実現する上で、木造建築は非常に有効な選択肢です。木の温もりと高い機能性を兼ね備えた木造建築は、これからのクリニック開業において最適な構造の一つであると、私たちは確信しています。

私たちTimber Worksは、和歌山県で大規模木造建築を専門に手掛けてきた豊富な実績があります。クリニック開業の建築に関するご相談、事業計画の段階から、コストとデザイン、そして先生の理念を実現する最適な建築プランのご提案まで、ぜひ一度私たちにご相談ください。

現在、Timber Worksではクリニックの完成見学会を11月23日に予定しております。ぜひご予約をお待ちしております。

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